Performaには、宛名職人という年賀状作成ソフトが付属していた。最も大変だったのは、住所録を作ることだった。何度もパソコンの爆弾攻撃に遭い、サポートに電話すると「初期化してください」の一点張り。その度に、一生懸命打ち込んだ年賀状の住所録を消失させた。そう、私は「バックアップ」というものさえわからずに、パソコンで年賀状を作ろうとしていたのだ。
あまりにもちんぷんかんぷんで気持ちが折れてしまい、夫に「パソコン教室へ行きたい」と頼んだ時もあった。ただでさえパソコンとプリンタで大枚をはたいていたのだ。「これ以上お前に金をかける必要があるのか仕事に使うわけじゃなし、主婦なんだぞ」と言われ、パソコン教室へ行く事は却下された。家事のあいまにパソコン。ではなく、パソコンのあいまに家事をする日々が、およそ3年間は続いた。それくらい、パソコンは面白かった。私の人生の中では知り得なかったものが、この中にはたくさんあった。
その後、イラストレーターまで手に入れ、私の技量に似合わない道具が集合した。フォトショップは、写真を加工するのではなく、文字を加工するのに重宝した。年賀状作成の他にも、ホームページを作る際にもとても役に立った。ただ、この程度の使い方では、フォトショップを開発した方は泣いていると思う。もっと活用してくれよ〜と、悲しんでいる事でしょう。イラストレーターにしても、しかり。年賀状作りに凝ると、プリンターも揃えたくなるものだ。エプソンのインクジェットプリンタの他にも、アルプスの熱転写式プリンターも買った。
アルプスのプリンターは、文字が素晴らしく鮮明だ。イラストや写真を印刷すると、表面がつやつやして息づいている感じがした。残念な事に、アルプスは個人ユースのプリンター作りを止めてしまった。素敵なプリンターだったが、あまりにもエラーが多すぎた。きっとそれが止める原因だろう。私にとっては高い値段(6万ほどだったと記憶している)だったけど、アルプスの目指すようなプリンターを作るためには、6万円では足りなかったのではないだろうか?A3サイズの印刷物も作りたくて、大きなプリンターも買った。エプソンのインク詰まりエラーに嫌気がさし、キャノンのプリンターに鞍替えもした。もうこれは、「プリンターおたく」の何者でもない。
パソコンも、数年おきに買い換えた。当然、蓋を開けてメモリ増設やハードディスク交換もした。Performa→パワーマックG3とMacな生活をしていたが、娘たちが学校で使う必要があるとの理由で、その後IBMの10万円パソコン→東芝のDynaBook→DELLのラップトップパソコンと変遷していった。どのパソコンも、どこか支障があり、修理したり初期化したりのトラブルがあったけれど、どれも思い出深いパソコンだ。