あ〜〜。もうなんというか、何も浮かばなかった。奥行きもなければ、ひねりもない。でも一体これで何枚目の年賀状だろう。150点は超えている。そこへ持ってきて、家族と書いたから家族をテーマにしないといけない。変なしばりを作ったので限界である。
プライドも何もかも捨てたような年賀状になってしまった。もし他人がこれを作って持ってきたら、きみぃ、これはあかんやろ…と言うに違いない。そもそも絵の腕も錆び付き、さらにどんどん絵を描くのが面倒になってきている。理由は、絵はもう自分の取り柄ではなくなったからだ。20代、30代の頃は絵だけが自分の砦だった。気がふれたように絵を描いた。それがデザインの仕事をしだしてから途端に面倒になった。
人は成長をする。それは、ある種、飽きると同義語なのかもしれない。飽きることなく頑張り続ける人をきっと天才と呼ぶのだろう。今はスタッフがいる。みんなデザインも絵もうまい。既に自分の出る幕はなくなったのだろう。また違うステージで頑張ろうと思う。
(ふゆき)