省略とは単に簡単にするのではなく、要らないものを捨てていく作業だ。文章も長々と書くよりも、不必要な形容詞や、回りくどい言い方を捨てて、骨組みだけにする方が小気味よい。肉付けは見る人、読む人が頭の中でやってくれる。
その分、深みが出る。深みとは、この場合、結論を受取手に任せる事を言う。写実は細部までを写し取って主張する。しかし、これは作り手の主張だ。決して使う人に委ねられる事はない。優劣の問題ではなく、それが役割である。
年賀状は使う人がいて成立している。決して作風を買っている訳ではない。使う人の事を考えない年賀状は、使ってもらえない厳しい現実がある。「年賀状なんて何でも良い、無難な絵柄で良い。そんな事は考えた事もない。」実はこの考えも使う人の需要である。無難なものを選択するからだ。
しかも使ってもらえる年賀状は毎年変化していく。1年に一度しかないので、リサーチは困難を極める。まるで移り気な女性を追いかけるようなものだ。年賀状に携わっている人はみんな、あの娘に捨てられる事に怯えながら、あの娘の感心を買おうと必死なのだ。
私の場合は自分の作風を貫き、欲しい人だけ来てくれれば良い…の姿勢を崩さない…ようでいて、実はリサーチしながら使ってもらえるように媚びてもいる。実にややこしい奴である。「お願いだ〜、俺を見捨てないでくれ〜」この心の叫びが分かります?
(ふゆき)
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こだわりを持って年賀状を作る事の楽しさとおもしろさを語り、誰しもが経験のある納得できる体験や、感心する事が多い、楽しむことにかけての達人達の自慢の年賀状作成に関する体験談。
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