奇跡の年賀状・昭和19年(甲申)申年年賀状・1944年

奇跡の年賀状|

太平洋戦争の開戦とともに、年賀郵便の特別取扱が昭和16年に中止された事により、敗戦の色が濃くなった昭和19年には、流通した年賀状が非常に少ない。
絵葉書愛好家による、年賀状交換会が存在していたが、その中でも童画家、版画家として有名な武井武雄氏が昭和9年に芸術家に呼びかけて始めた年賀状交換会、榛の会は、芸術家が作成した年賀状を会員のみに限定して送り合う会だった。
上の二つは、左は武井武雄氏本人によるもの。右は版画家の川上澄生氏の手によるものである。

戦争を挟んで一度も休止することなく、22年続いた奇跡的な交換会の年賀状、昭和19年版が下にある写真の限定50部の中の一冊だ。榛の会については、市道和豊氏の著作による「奇跡の成立榛の会昭和21年」に詳しい記述がある。

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