赤と黒だけのシンプルなカラーで、馬も簡略化したシンプルなイラストだ。こういうのは作っていて楽しいし、楽だし、50代以上の同年代にはこの手が一番受けるのが分かっている。色々手を入れても入れなくても、悲しいかな人の印象もまたシンプルだ。
写真のように描いた細密描写の絵も、シンプルなマーク的な絵も、ちょっとヘタウマっぽい絵も、これいいな〜の一言で片付く。昔は細密描写した時の絵を一瞬だけ見てうまいねと言われても納得出来なかった。いや、ここを見てくれ、この部分もめちゃめちゃ苦労したんだ、例えば、ほれ、ここ、この部分は…などと延々と説明したものだ。
しかし、見る人に作り手の勝手な都合は関係がない。気に入るかいらないか、ふたつにひとつしかない。
ウラの苦労が見えるほど、醒めていく。そこは見せないけど、凄いと思わせるものが本物であり、真の一流だと思う。
お前はどうなんだって?
はい、私は二流、三流で結構です。
(ふゆき)