こういう仕事をしている人なら誰でも思う。手法が単調になったら、何とかそれを防ごうとしてへこましたり、突き出したり、立体にしたり、陰をおとしたりするのである。
やりすぎるとそれが逆に暗い影を落とす。音楽で言えばハ長調がハ短調に変わる瞬間だ。間が持たないからとあれこれ入れるとバランスを失う。それは何処か、破綻の香りがするものだ。年賀状に限らず色の使いすぎは禁物だ。使えば使うほどバランスが狂って配色に破綻をきたすからだ。出来る限りシンプルにまとめる方が小気味良い。
赤い服きて黄色のズボンやスカートをはいたら靴下の選択が難しい。靴が緑色だったりすると、一体何色の帽子をかぶったら似合うのだろうか…と思う筈である。それとよく似ている。
シンプルイズベスト。出来れば一切何も身に付けていない方が、見る方として、私は嬉しい…ってそういう問題ではないな。
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