干支文字家族用・b09

白抜きシルエット

デザインでは奥行き感が非常に大事になる。元々が二次元の平面の世界なので、遠近感を表現するには陰影は最大限に効果を発揮する。ちょっと影を落とすだけで、へこんでいたり、浮き上がっていたりするように見える。言わば錯覚の世界だ。この人の目の錯覚を如何に利用するかがポイントになる。

このテーマでは後ろに影をつけただけだが、文字と白抜きの間に空間があるように見える。やり過ぎは禁物だが、ほんのワンポイントで構わないので、距離感を出す事で、奥行きがあるように見える。

立体的と言うと、みも蓋もないが、奥行き感と言うと何も見た目だけではなく、思想も含んだ意味合いとなる。今年もどこかで書いたが、全てを写実的に表現する事は、人の想像力を奪うだ。見せない事で、人の頭の中に全体像を作ってもらえる。これが奥行きだ。結論は見る人に任せるという態度。ある意味では無責任とも言える、この姿勢が私は大好きだ。

（ふゆき）