警視庁公式Twitter「ギャップ萌え」にフォロワー急増

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この正月に警視庁に本職あての年賀状が10通ほど届いた。
Twitterでつぶやく警察官の日常が、警視庁を身近に感じさせている。
届けられた年賀状すべてにお礼状を書いたという。
2012年11月11日。警視庁犯罪抑止対策本部のTwitter「@MPD_yokushi」にこんなツイートが現れた。
「当アカウントは半自動により情報をお届けしておりますが『つぶやきがつまらない』と上司からお叱りを受けました。警察の公式で面白いつぶやきというのもいかがなものかと思いますが、今後は本職のつぶやきも交えてお届けいたします」

これを皮切りに、1日に数回、「本職」と名乗る"中の人"が、最近のうっかり体験や、3時のおやつのお茶請けなどほっこりした日常をつぶやく。本職氏がつぶやき始めるや否や、フォロワー数が急増。13日につぶやいた「みかんの汁がズボンに落ちました...」という発言は新聞に取り上げられるなど題を集め、11月半ばにはフォロワー数が1万を超えた。

「紅茶をいただきます...」「お茶請けは月餅です...」「靴の中に小石が入っていると思いましたが、靴下の毛玉でした...」。本職氏のツイートは、普段を考えていることをそのまま、飾らずに書いているという。

投稿は上司の確認を得た上で行っており、発言は、常識の範囲内にとどめているという。
Twitterは当初、「振り込め詐欺撲滅月間」の11月限定の予定だったが、反響を受けて12月以降も継続。振り込め詐欺だけでなく、不審者情報や庁のイベント情報なども流し始めた。

アカウントから届く警察官の普通の日常が、警視庁を身近に感じさせている。「フォロワーのみなさんと、楽しくやりとりしたい。警察と都民、国民の皆さんとの距離感を縮めたいというのが大きな目的。村の駐在さんみたいだと言ってくれた人がいました。自転車をキーコキーコとこいで、村を回っているような。いいご意見をいただいたなと」

しかし、
フォロワー数が増え、反響が大きくなる一方で、批判の声も大きくなっていた。事前に策定・公表していたTwitterのポリシーには、担当者個人によるツイートについては書かれておらず、ルールのない状態での運用が続いていた。

 「決まりがない中で、このまま続けるのはよくないだろう」。
3月4日、本職氏はTwitterで、個人的なツイートを休止すると宣言した。
本職氏のつぶやきは中断。振り込め詐欺関連情報だけが流れるbotアカウントに戻った。

 だがこの後すぐ、本職氏は再開を決断した。休止のうかがいを立てた際、上司から「ひとりで辛い思いをさせてすまなかった」と言ってもらい、「この人の下でならまだやれる」と思ったこと。辞めると宣言したツイートに対して、惜しむリプライが大量に寄せられ、メールやハガキでも再開を望む声が寄せられたこと。この2つが、背中を押したという。

 上司と相談し、警視副総監の決裁を得てTwitterの運用ポリシーを修正。3月8日に公開。つぶやきも再開した。
休止からポリシー修正、ツイート再開までわずか4日間という「ありえない速さ」
これを実現できたのは、「上司が腹のすわった方で、決定が早かった」おかげだという。

再開直後の3月14日。温めていた企画を発動した。2万2222フォロワー達成記念の特別企画。「テワタサナイーヌ」なる謎のキャラクターが、副総監に突撃インタビューするというものだ。

 テワタサナイーヌは、女の子のキャラクターに犬の耳を付け、ピンク色の帽子をかぶった"ケモノ娘"。本職氏が以前、葛飾署に勤務していた際に考えていたキャラクターだという。同署で本職氏は、振り込め詐欺撲滅のために戦う謎のヒーロー「防犯戦隊フリコマン」を企画している。

 本職氏は「誰もやっていないことをやる方が好き」だという。自身は「3つのキカク」が好きだと話す。

 「"キカク"はいろんな漢字で書ける。私は、"奇画""鬼画""危画"が好き。そう来ましたか、という奇妙な『奇画』、そこまでやりますか、という『鬼画』、そんなことやっていいんですか、という危険な『危画』。その方向で、ずっとやってきた」

Twitterを使った振り込め詐欺新名称の募集など、前例のない「キカク」を実行に移している。
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