常識という名の規制
簡単に描いてしまったサル。数分と掛かっていない。これを仕事で頼まれたら、絶対にだせない絵でありレイアウトだ。十数年前、年賀状にうさぎの絵を描いた時に、クレームが来た。兎が怒ってるのが気に入らないと言う訳だ。筆が滑って顔に書き初めの字を書いてしまった絵だった。年配の人にとっては目出度い日に怒っている絵などもっての他なのだろう。
そもそも年賀状に黒ベタを使うのも意外に嫌われる。三年前にたまたま黒を背景に使ったら意外に渋いので、以来多用している。これも仕事だと赤を使えとなるか、自主規制して赤を使ってしまう。ケチつけられてやりなおすのは嫌だからである。
常識というのは時として自由な発想を阻み、時として自ら首を絞めてしまうものだと思う。この怖い顔したサルの絵は雑だが、そういう意味で、実は自分では気に入っているのだ。
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