企業・ビジネスa02 デザインマークタイプ

年賀状の調理方法

取り敢えずシンプルにありきたりのネズミをデザイン的に処理してみた。誰でも思いつき、誰でも描けるネズミである。しかし、筆やクレヨンで描くと同じ軌跡でも、違った味になる。配色でも変化する。全く同じでも調理の仕方によって大きく変わるのだ。例えて言えば素材を唐揚げにするか、照り焼きか、刺身の違いだ。

さらに調味料に何を使うかで大きく味は変化していく。この場合の調味料とは色であり、レイアウトになるだろう。よほど素材そのものが良くない限り、調理の仕方が大きくものを言う。押し出す、ひっこめる、反転する、斜めにする、裏に返すなどありとあらゆる手法を試す事になる。

困った事に人の舌は肥えてくる。昨日まで美味しいと思ったものが時の流れと共に飽きる。だから、このデザイン年賀状は決して美食ではない。とことん味を追求しつつ調理するのではなく、安定感があり安心して食べられる調理法を採用している。

例え平凡でも奇をてらわず、願わくば、カレーのような存在でありたいと思っている。

(ふゆき)