質÷(時間×単価)これもシリーズ化のひとつだ。最初犬の口を見ていたら歌舞伎の役者の口に似ている事に気がつき、描いてみたのだが、どうもリアルな犬になってしまう。少しも面白くない。そこでミスマッチの絵にした。ふと気がついて以前と比較したら、やけに手が入っていた。う〜〜む。この手の絵は単純なので簡単に描ける。発想が安直な分、細部を丁寧に描く事で逃げていたのかもしれない。不思議な事に何を見ても昨年どういう心境で作ったのかを全くと言って良いほど覚えていない。残るのは悲しい位に常に結果だけしかない。 仕事も同じで、どんなに納期のない単価の安い仕事であっても、仕上げてしまったら結果しか残らない。本来は品質を単価と時間で割ってもらって評価を下して欲しいが、単価と時間はそのうちになくなる。最終は結果で判断される。デザインした印刷物に所要時間と単価が印刷されていない不合理さを何度呪った事だろうか。時間をかけて練り上げた職人芸の作品からみたら、年賀状なんて瞬間即応的なアドリブ芸に近い。 泡のようなものを作っているのだろうか。作った時からはじける運命の泡。同じはじけるならば、ブレイクといわれるようなはじけ方をして欲しいものである。 (ふゆき)普通の場合はこちらです。よくある質問などはまみたろうさん作のデザイン年賀状楽しみ方マニュアルで。 ●画像ダウンロードJPEG画像|PDF |
イラスト&デザイン/田中冬木
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ふゆきデザイン年賀状 |