友人・知人c-02ふゆきデザイン年賀状

出逢いと別れ

人は様々な出逢いと別れを繰り返す。記憶に残る出逢いもサヨナラもあるだろう。その記憶の濃さが年賀状に現れる。義理の年賀状から旧交を温めあう年賀状。消息を伝える年賀状。誰しも短い言葉の中に走馬燈のように流れ、よみがえるあの日の事があるに違いない。

電子メールや携帯メールで郵便の出番は確実に減っている。かくいう私も手紙やハガキが煩わしい。だけどいつでも出来るは決してしないと同義語である。年賀状は一年に一度。しかも締め切りがある。だからみな差し迫るとブツブツ文句を言いつつ作るのだろう。そして、受け取った時、その効用がわかる。

人の記憶は移ろいやすい。まるで自分の辿った足跡を確認するかのように一年に一度だけ刺激を与える役目を負っているかのようだ。人の記憶は何かとセットになると強烈なインパクトを与える。ある時は絵だったり、ある時は一片の言葉であったりする。イノシシを思い浮かべれば12年前に苦労した年賀状を思い出す人も少なくないだろう。そして、その記憶とともに12年前の情景も一緒によみがえってくる。今年の苦労もきっと12年後に良い思い出となって戻って来ると信じましょう。

しかし、その時に自分が永遠にサヨナラしていたら嫌だな…と、ふと思うのであった。

(ふゆき)